概要
この話すっごい気持ち悪く演技してくれてるのでどうしても冒頭で好きになれないんで、あんまり見ないんですけど・・・でも改めてフルで見てみるとよくできてるんですよね、刑事ドラマとしても刑事コロンボとしても。
ちゃんといいところ押さえてるんで私みたいに毛嫌いせずに最後までご覧ください。
とにかく冒頭の爆弾のシーンさえパスできれば、あとは楽しいですよ。
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あらすじ
出版社のグリーンリーフは自ら発掘した作家マロリー(グリーンリーフ氏自身の言葉によれば”steal my pocket-sized Hemingway.”)の出版契約を「ニール氏の会社」に奪われる事がわかり、ベトナム戦争帰還兵で爆弾製造の出版を画策しているケインに接近し彼の本を出版する代わりにマロリー殺害するように持ちかける。
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この俳優さんが凄い
被害者になる作家マロリー役のミッキー・スピレインさんですね。
吹き替え版見てるとスピレインさんのセリフは重厚な重鎮声だし、見た感じも私が知らないだけで西部劇で名を馳せた大俳優感が凄いので「きっとジョン・ウェインとも並ぶくらいの大物俳優さんに違いない」と思ってたのですが、調べてみたらハードボイルド小説家として名高い方でした(諸説ありますっていうか批判が多いですが、後述)。
有名なところだと「探偵マイク・ハマー 俺が掟だ!」って邦題で上映されてますが、アメリカではテレビドラマにもなっててそっちには44回スピレインさん自身も俳優として出演されてるみたいです。
まあそこまででもかなり凄い話なんですが、じゃあこの原作になったスピレインさんの「マイク・ハマー・シリーズ」は結構エロそうな感じで紹介されており、文壇からは白い目で見られていた上にアメリカ議会下院で「悪書追放」が議論された際にスピレインさんの作品も名前が上がっていたそうです。
ちょっと待ってよ・・・
だって刑事コロンボでスピレインさん演じた作家マロリーさんは、ポルノ小説みたいな作品を欠かされてるのが嫌でグリーンリーフ氏の会社からニール氏の会社に移籍、作品もベトナム戦争を扱ったお堅い内容になる予定が、グリーンリーフ氏に謀殺されるって話ですよね?
現実と真逆じゃね?
つまりこういうことか?
「俺(スピレインさん)のエロい作風をあれこれ言う奴がいるのは知ってるぜ、だがな、俺が作風を普通のハードボイルドにしてみろ、出版社に俺は殺されちまうぜ?」
なんかスピレインさんのご出演と劇中のセリフは当時のアメリカ人は腹抱えて笑ってたんじゃないですかね?
「おい見ろよ!スピレインの奴、ポルノまがいの作品書くのが嫌だってよ!」
なんてお茶の間は大爆笑なシーンだったのかも?
しかも口述筆記のための音声録音シーンではコンラッドという登場人物がベトナムの女性かな?リー・チェンをコンラッドが抱くと小さく震えていたなんてシーンを話してるんですよ。
それってグリーンリーフの会社から出してたのとどう違うの?!?!
俺、このシーンで笑えなくて損したなあ。
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この声優さんが良い
柴田秀勝さんって方かなあ?声がそんな感じなんですよね。
って思ってWIKI調べたら
『刑事コロンボシリーズ
刑事コロンボ 第三の終章(アラン・マロリー〈ミッキー・スピレイン〉)』
WIKI
・・・流石だアニメファン、めっちゃ調べ細かい・・・。
ミッキー・スピレインまで調べ上げてある、というか書いてある。
あとよく聞いた声なんですよね、この柴田さんの声。
男!大物!
って感じの声ですね。
女にモテるなんて当たり前って感じの自信たっぷり感すごいよねこの声。
さらにニールさんのこの声は森山周一郎さんかなあ?
(小林(次元)清志さんだったよー、wikiに記載あり!)
こっちも渋い声の代表ですよね。
この二人に挟まれた小池朝雄さんのコロンボも聞いてみたかったな。
真逆でコミカルになったと思う。
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それって私の感想ですよね(ネタバレ)

The scene where Jack Cassidy and presumably James Millhollin co-star features Jack playing an intimidating and selfish character. To emphasize Cassidy’s overwhelming and terrifying presence, the camera is tilted to create an apparent difference in height. However, when the shot is straightened horizontally, the actual height difference between Millhollin and Cassidy is not that significant. Given that this is a devastating scene, the heavy tilt of the camera feels natural rather than jarring. It’s a subtle but very effective filmmaking technique.
ジャックさんとおそらくジェイムズさんの共演シーン、威圧的で身勝手な役を演じるジャックさんの高圧的で恐ろしい感じを出すために一見身長差があるようにカメラを傾けて撮影しているが、水平にしてみるとジェイムズさんとジャックさんの実際の身長差はそんなにない、破滅的なシーンという意味でもカメラが大幅に傾いてることに違和感がないことも凄い。ちょっとした事だがうまいテクニックだ。
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見どころ(ネタバレ)
誰もが気がつきポイントに上げてるところですが、流石に他の方と被ってもここだけは外せないので書いてしまいました。
この作品かなり明瞭にスプリットスクリーンが使用されています。
のちの”24 -TWENTY FOUR-“みたいですよね(もちろんコロンボの方が先の制作も放送もですが。あとスプリットスクリーンは1927年頃に最初に登場したのではないか?との話もあるとか)。
ただ、(2025/08/23現在)まだ書いてないんですが指輪の爪あとで出てくるメガネに投射された亜流のスプリットスクリーンの方がより高度でフィギュアスケートじゃないですけど芸術点が高い気がしますね。
あれもスプリットスクリーンでいいんだよなあ?
あと、終盤コロンボ警部がタイプライターの前で選挙の候補者が自分の上着を使って人違いで殺害される話を書こうとしてるという話が出ますが、あれってこの件ですね
しかしこの話、まさに「第三の終章」でしたね。
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LINK
(22)「第三の終章」2025年8月23日(土) 午後4:15〜午後5:30