アリバイのダイヤル “The Most Crucial Game”

Lieutenant Columbo

アリバイのダイヤル “The Most Crucial Game”

ファンの間では「アリダイ」と呼ばれる超有名作品です。

とか嘘を書いてもBLOGって誰も訂正しないんですよね。

(アリダイはどっちかっていうとアリ・ダエイを連想するなな)

ま、このエピソードは面白い回じゃないかなあ。

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あらすじ

フットボールチームなどのゼネラルマネージャーを務めるポール・ハンロン(ビル・マックスウェルじゃなくて俳優さんはロバート・カルプ)は先代のオーナーに雇われ業績を大幅に引き上げた敏腕ビジネスマン。

だがそのオーナーはすでに死去、あとは息子のエリックが二代目オーナーに就任していたが、エリックは先代と違って?スポーツチームの運営にあまり積極的でない。

ハンロンは先代オーナーの思いを受け継いでスポーツチームを複数買収してスポーツ王国を築こうとしているのだが、決済権限を握ったエリックの承認を毎回得なければならず手を焼いていた。

エリックはエリックで父親(この部分は吹き替え版では削られていますが)がフットボールの花形ポジションでスター選手にしようとしたがその期待に答えられず挫折感を抱えたまま結婚してるのに酒だ女だと遊び呆けている。

プールのある豪邸にハンロンも惚れ込むほどの良い奥さんもいて満ち足りて見える一方、ビジネスの足手纏いになっているエリックに嫉妬と羨望と苛立ちと複雑な思いを抱えたハンロンは、自分の運営するフットボールチームの試合観戦中スタジアムに居たというアリバイ工作をしつつ、フットボールチームのゲーム中にエリックの殺害を実行しようとした。

時つぐる鐘の音を合図にエリックとハンロンの二人にとって最も重要なゲーム(The Most Crucial Game)が今まさに始まろうとしていた。

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見どころ

コロンボとハンロンの読み合いに尽きます。

ハンロンが被害者や弁護士、コーチの行動を規定するように場を支配していく様。

コロンボがその人々の裏を読み解いていくアウトレイジ(北野武監督作品)な展開です。

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意図的に誤解させられてる面

NHKの翻訳スタッフが意図的に物語を単純化したり日本人に馴染みのないものを言い換えたりして見やすくしてるので、決して悪意があるわけではありません。

が、この被害者と加害者は単純化されてしまっていて実は裏側にあるやるせない人間模様が複雑に描かれている点は別れのワインに少し似ていると思います。

例えば

被害者の過去をコーチが語りコロンボが話を聞いているシーンをよく見てください。

セリフは違うのにコーチは右手でボールをスロー(投げる)仕草をします。

画像あり画像あり

これは吹き替えだとわからないのですが、英語版だと父親が被害者をアメフトの花形ポジションの選手にしようとしたが、上手くいかなかったことが語られています。

二代目オーナーの憂鬱

息子は精一杯やったけど選手になれず挫折した過去があるわけで、二代目オーナーになっても自分がなれなかったプロ選手達を彼は仕切ってるわけです。

それも父親の金の力であってここでも彼は自分の力ではなく親の七光な感じに似てるのです。

どうして経営に積極的になれるでしょう?

ハンロンにも言いたいことはある

まあここは殺人犯の動機なので後述してますからをご覧頂きたいです。

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Los Angeles Memorial Coliseum

ハンロンがアメリカンフットボールチームの試合を見守った会場がここで現存します。

1923年に会場し1958年にはあの大谷翔平選手が所属しかつては野茂英雄選手が居たこともあるドジャースがスタジアム完成まで仮の本拠地にしていたこともあるそうですが、かなり無理があってレフトフェンスがホームから77メートルしかなく、MLBコミッショナー命令でフェンスを設置したにもかかわらず多数のホームランがでたとの事。

2028年には夏季オリンピックで使用される予定もあるとかで、1932年、1984年に続いて44年ぶり3回目のオリンピック会場となり三度同じ会場が使われるのはこれが史上初だそうです。

ベネディクト先生のコンサートホールといいLAは物持ちがいいっていうか、古い建物大事にしていて良いですね。

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ハンロンのキャラクター設定が少しいじられている

吹き替え版だと横柄な態度のハンロンですが冒頭のスタジアム プライベートボックスで青年にもう帰っていい恋人と映画に行くなり好きにしなさいとお金をあげたりしています。

これ自体はアリバイのダイヤルをするために工作としてやってる事ですから後ろ暗いことで評価はしませんが、ただ吹き替え版だと良いから帰りたまえと冷たい感じで追い返してますが、本当はもうちょっと優しくフレンドリーに会話してます。

この辺は物語をシンプルにする工夫を施してるのかなあ?

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ハンロンは相手を見て話し方を変えている狡猾な男

殺人さえしなければ優秀な人物と呼ばれるべきキャラクターです。

相手次第で話を変えてハンロンに言われた事に対してどう動くか想定しているのがわかります。

だからプライベートボックスでは優しく、エリックには対立するように、コーチには極端に高圧的に話しています。

電話での会話はハンロンが念の為にあんな言い方をしているのがわかりますか?

このエピソードはそういう人間を読むということをセリフの裏で行なっているので、AIのようにどこかに書いてあったことを言うだけではドラマそのものが見えなくなっちゃいます。

結構この話は複雑だと思いました、裏側は。

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ハンロンが唯一勝てなかった男、コロンボ警部

ロゴージーの行動には相手がハンロンだと考えるなら矛盾がある。

そこで小さな罠張ったりしてコロンボの相手を読む動きは今回静かに効いています。

そして読みのハンロンがたった一人勝てなかった相手がコロンボというわけです。

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細かすぎるコラム アリバイのダイヤルはまるで機動戦士

刑事コロンボ (12)「アリバイのダイヤル」はまるでガンダム。日本人はコロンボを誤解している?

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ポール・ハンロン「殺害動機はたっぷりあるんだぜ!」(ただしあらゆる殺人にはどんな理由があっても正当性なんて無いけどな!!)

リストアップされたものがここ(LINK)にありますのでよかったら読んでみてください

ポール・ハンロンにも色々思うところはあったろうけど、被害者のエリックだってそりゃあ色々辛かったんだよ

んでまあ人柄がなんていうかその、エリックさんは良いんですよ人柄はね、、、、、、、ポールと違って・・・

だからこのドラマで一番正しい判断してるのって奥さんなんじゃないかと思うんですよね

だってあくまでエリックの妻であり続けようとしてたし見捨てたりしてないでしょ?

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見どころ

前回の悪の温室”The Greenhouse Jungle”でチリを注文するシーンなど段々コロンボの人とは違ってユニークでややコミカルなシーンが増えてる気がします。

ちょこちょこそんなシーンが今回入っています。

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LINK

刑事コロンボ - NHK