現代社会にはマッチしなくなったシナリオ?
結論からネタバレしながら言ってしまうとこの話は「目撃証言者の若い女性に色恋営業かけて恋愛感情を持たせ殺人を隠蔽する老人男性の話」です。
こんなの令和7年(2025年)の一本目に放送する内容じゃないんですけど順番的に仕方ないんですよね。
残念ながら2025/01/11 16:24 NHK BSで放送されます。
1978年までに放送された中では唯一、あの時代に見たことがあって懐かしく思って見る方以外には正直本当にお勧めできない一本(私がビリージョエルと刑事コロンボでお勧めしないっていうのは異常事態です、それくらいコロンボは大好き)だと思いますが、でも感覚というものは時代で変わるものでして一度変わったらそれはもうしょうがないんだそうです。
なので私は録画しますけどリアルタイムでは観ない予定です。
見どころ
警官がやってきた後ろに見えるスナックのテイクアウト店ですかねえ、ウインナーやソフトクリームの絵が描かれてるんですけどそこのMENU表に何書いてあるのか読めたら楽しいかなあ。
あとはコロンボがアガサ・クリスティの小説的に問題に取り組んでいくところでしょうか。
この時期のドラマはクリスティの影響が強い気がしますよね。
チリコンカン初登場?
多分この回に出てくるチリがチリコンカン初登場じゃないでしょうかね。
いや違った、死者の身代金でコロンボが食べ方説明してるじゃないですか・・・なんであの店主はコロンボにこれはチリっていう料理だなんて説明したんだろ??
ここでの会話はラストに繋がっていきます、ってほぼこのチリコンカンシーンがすでにラスト手前ですけど。
あとこのスプーンですが戦場で手に入れたって言ってますけど実はオキナワの基地で手に入れたって言ってるんで日本との戦争に参加した元兵士なんですねこの店主。
1970年代に日本で放送するのに適さないと考えたらしくNHKではこの人が参加した戦争と戦地については語られておらず私は朝鮮戦争かベトナム戦争かどちらかなのかなと思ってました。
NHK大成功?
なんでこんなことになってるのか?
本当にこれって私の推測なんですけど、この老人が人気あるからなんじゃないですかね。
人格者でスタッフや視聴者に人気があってこういう若い女性にもモテる老人役を与えたくなるパーソナルな何かがあったんじゃないだろうかと。
で、この俳優さんなんですけどどうもこの動画の再生していただくとすぐに右から出てくる髭の方らしいんですよ
(この動画著作権的に大丈夫なんだよね??版権切れてんの??)
ローマの休日でカメラマン役やってたアービングことエディ・アルバートさん。
こんなの調べるまで全然わかんなかった。
Romaが1953年公開でコロンボ出演部分が放送されてるのが1971年ですから20年経たずにこの状態からあんなお年寄り顔になっちゃうんですね。
まあ時代(摂取栄養素)の問題かなあ?
あと日本語吹き替え版だと声優さんがとても上手く悪役をやってくださってるんで伝わりにくいんですが、このエディー・アルバートさん演じるホリスター将軍は話し声聞いてると確かに女性に魅力的に思える雰囲気を持っています。
だからまあ女性が一人で生きていくのが世界とか国の経済規模的に難しかったとしても、こういう資産と地位を持った男性が女性と交際するっていうプロット、そこまで無茶な設定ではないんですがまあNHKで吹き替え放送する段階になって徹底的に勧善懲悪へ全振りした結果こうなっちゃったのかもしれないですね。
あとアルバートさんリベラルな方だったらしいのでホリスター将軍、元軍人の著名人を悪役に描くこの作品に出演されたのかなあ?
海軍として第二次大戦に従軍されてる経験もお持ちだそうなので戦争は誰よりも嫌いでしょうしね。
となるとアイゼンハワー大統領と共和党政権お嫌いだったかもしれないですね、アイゼンハワーさんはノルマンディ上陸作戦を指揮した元軍人さんで現在では最も優れた大統領だったんじゃないかと研究者の間で再評価されてる人だそうです。
あと日本と戦争したの共和党じゃなくて民主党のルーズベルト大統領で、原爆落としたのはトルーマン大統領でこちらも民主党。
アイゼンハワーさんは朝鮮戦争で原爆使おうと提案されて拒否した人です。
今となっては内容が15分間くらいしかない
でも恋愛部分を消しちゃうと、殺人のシーンとチリコンカン食べるシーンとここを繋いだら一応話は全部繋がっちゃうんですよね。
なのでこのドラマでは女優さんの存在は尺的には果てしなく大事なのです。
女性の扱いに長けた犯人と、そこがどうも不器用で苦戦するコロンボという図式を楽しめたあの頃が懐かしいかも。