意識の下の映像 “Double Exposure”

概要

条件を限定し、サブリミナル映像によって人の行動を制約したりできるのではないか?ということをドラマに取り入れた回です。

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あらすじ

お互いにVic、Bartと呼び合うほどの仲だったノリスと博士だったが、その裏で博士は女性を使ってクライアントのノリス氏のよな人物と関係させ写真を撮って脅迫するという手法で仕事を確保していた。

脅迫されたノリスはしかし脅迫に屈することなく博士を告発しようとしたため、博士は身勝手にも殺害することを計画する。

それには人気のない廊下に彼を誘き出す必要があるのだが、その為に博士が仕組んだ罠がサブリミナル映像だった。

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この俳優さんが凄い

ノリス夫人役のLouise Lathamさんかなあ

コロンボ警部にあなたは犯人じゃないって最初から言われるんですが、その際にやっと微かに笑顔になるんだけどだからって旦那さんは浮気してたって言われてるし、実際その旦那さんは殺されてるわけで、疑い晴れたものの心は曇りっていう表情の付け方やため息をつく際の様子なんかは端役なのにすごく上手いなあと思います。

あとはアメリカンヒーローのFBI捜査官がまたしても犯人になってしまったロバート・カルプさんですね。

相変わらず集団を率いる中心人物役でなんでもキビキビこなす隙のない人を演じてます。

それでいて警部に追い込まれなきゃならないストーリー上の関係からちょっと慌ててしまう冷静さを度々失うシーンは、ピーター・フォーク演じるコロンボの「愛嬌(第一話で設定されセリフでも犯人に言われる)」が強調されてます。

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この声優さんが良い

カルプさんの声優さんですね、ノリスさんの奥さんに電話するときに別のキャラクターになりきって話してるところは面白いかな

カルプさん自身の声色変更も見事ですけど、カルプさんのがくぐもった声の冴えない男なら、吹き替え声優さんのはおっちょこちょいの男って感じでキャラ付けがそれぞれ違うのも面白かったです

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それって私の感想ですよね(ネタバレ)

謎の美女「タニヤ・ベイカー」に関する妄想

ロボットみたいに考えれば劇中のタニヤさんはアーリーン・マーテルさんって事になります

だって書いてありますから・・・でもね

① アーリーン・マーテルさんの情報調べてもこのエピソードに出演したっていう記録がない

② 映像の中にアーリーン・マーテルさんが居ない(と思う、私は)

なので人間として考えるにタニヤ・ベイカーさんは犯行当時に上映されていた映像に出てくる水着の女性かもしれないなと思います

しかしながらアーリーン・マーテルさんがCo-Starringにクレジットされている以上、彼女に役があったことは確かなんじゃないでしょうか?

すなわち撮影はしたが放送時間の関係でカットされてしまっただが・・・

① クレジットを先に作成してしまったので名前だけ残った

② 契約上クレジット条項みたいなものがあって名前はちゃんと出した

のどっちかなんじゃないかなと

しかしCo-Starringにクレジットまでされて実際にはカットされたとしたら、かなりショックですねえ

アーリンさん情報見たらスタートレックに出演されているし、トレッキー(かなり緻密な調査をしそうな人たち)からフォローされてるでしょうし制作サイドは彼らから怒られなかったのかなあ当時

ジャニス(フレンズ)みたいに不器用に笑う水着の女性

アーリーンさんのシーンがカットされた結果なのかわからんのですが、販売促進用フィルムの中に登場する水着の女性が急遽タニヤさんってことになったのかもしれないです

ちょっと笑い方がぎこちないのが急造っぽい感じがしちゃいませんか?

笑顔も構想の死角で殺害されるジョアンナさんがケンと食事するシーンみたいな笑い方だなあと

サブリミナル映像そこまで関係なかった件

実はサブリミナル映像自体は強い効果があるかのように公表されたものの、実際には限定された条件下でのみ効果があるだけで、有名なポップコーン実験自体は嘘だった事がわかっています。

またサブリミナル映像の効果について再検証された結果、これはわずかな影響力しかなく、この物語でもその部分を大幅に補完し条件を限定したトリックになっているのが面白いです。

ノリス氏がそもそも太っていて当日は正装、映像を見る前に博士が「呑みますか?」と持ちかけているのはノリス氏が博士に怒っていて応じないと知っているから、その代わりに後でコロンボ警部が食べて水筒のアイスティーを「おかわり」するほど塩気の強いキャビアを振る舞ってノリス氏の喉を渇かせる、映像試写の会場はエアコンが故障していたという博士の説明があり(まあ嘘かも)蒸し暑い状態。

液体でキャビアの塩辛さをノリス氏の喉から流す機会を奪った上で最後の仕上げに念の為みたいにサブリミナル映像が使われています。

ノリス氏だけがまあお酒は水分摂取には向かないですが、他の参加者が全員何か事前に飲んでいたのとは対照的に何も飲まず逆にキャビアを勧められて彼の好みなんでしょうけどたくさん食べちゃった。

ノリス氏だけが廊下に出てくる状況を博士は事細かに積み上げているので、サブリミナル映像の「わずかな影響」がノリス氏には致命傷になっています。

ちょうど逆の事が博士に起きる

逆にコロンボ警部にじわじわと追い込まれてゴルフ場ではプレイを阻害されて冷静さを失う始末。

その最後のピースがサブリミナル映像でした、今度はコロンボ警部が仕掛けた映像です。

あの映像であの行動をとるのは身に覚えのある博士だけです。

ちょうど何も飲まされずキャビアで喉の渇いていたノリス氏だけが廊下に出たように、博士もまた犯罪の後ろめたさで潜在意識のカットの効果が博士にだけ効果を見せたというのがラストですね。

残念ながら嘘もある

劇中サブリミナル映像でポップコーンが売れたという事が事実であったかのように語られていますが、このドラマが放送されるずっと前にその研究が嘘だったと公表されています。

ただ一方でWIKIによると1970年代には多くの人がサブリミナルを信じていたそうです。

また同じくWIKIで2000年代にリプトンアイスティーを想起させる文字でサブリミナル実験をしたところ、リプトンアイスティーが好きであんまり飲んでなくて喉が乾いてると効果があるっていうので、これノリスさんの状況に似てるっていうのが興味深いです。

結果的にのちの実験に則ったようなドラマ作りになってたわけですね。

なので、劇中語られるポップコーンの話は嘘でしたがこのドラマではサブリミナル映像効果は非常に強いものだという仮定で作られており、ドラマ構成と実際の実験はのちに一致してる点もあるんでその前提で見ても問題ないと思います。

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LINK

刑事コロンボ

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見どころ(ネタバレ)

ロバート・カルプがかっこいいとこですね。

劇場で映像を流せと支持する仕草や、劇場をテープレコーダー持って駆け上がってくる走り方の機敏さはどうみても運動を欠かさなかった人の動きです。

ちなみにWIKIによると

「カルプは、「刑事コロンボ」シリーズの犯人のひとつの典型である都会的でスマートなインテリの犯人像を創り上げ、高く評価された。新シリーズでは犯人役での出演はないものの、「殺人講義」に犯人の父親である弁護士役で出演した。」

WIKI LINK

私この話見逃したのかなあ?

まあ、スタッフや俳優さんの経歴話ばかり(経歴だけって意味ではなく経歴や背景の話を演技や演出以上にたくさん)する「あのAという映画で有名な監督と、Bという作品で有名な脚本家がタッグを組み!Cを受賞したあのDという俳優とEという俳優の夢の共演を果たしたこの作品!ぜひご覧ください!!」って映画解説者が言ってたら

この作品つまんないよ

っていう意味なので、このコロンボの意識下の映像は面白い作品だしキャストやスタッフなど周辺の話ばっかり書くのはやめときます。

経歴書いて話なぞってるだけじゃあねえ・・・。

私は面白いと思ってますこの作品。