「刑事コロンボ」のエピソード「黒のエチュード」(原題: Etude in Black (1972))

Lieutenant Columbo

あらすじ

浮気バレそうになって相手殺す話です(身も蓋もないけど)

 

見どころ

🧥ロサンゼルスが誇るHollywood Bowl

劇中冒頭で1922年開場の野外コンサート開場で「アレックス・ベネディクトによる週末『若者向けコンサート』」が開催されます。

この会場のステージ形状や周辺環境、特に東京都庁や京葉線東京駅(有楽町駅じゃないか?説があるほど東京駅より有楽町駅に近いため)にある「動く鋪道」が屋外にありベネディクト先生が使用します。

🧥被害者になるジェニファー・ウェルズのピアノ演奏

ドラマで使用されているピアノ演奏そのものが誰のものかは不明ですが、少なくとも演じてる俳優さん(Anjanette Comer)の指の動きが素早く綺麗で演奏に合っているように思えるんですよ。

結構早い演奏であれ指があそこまで回るのってすごいんじゃないかなあ?

(曲に指は合って無いっすw)

だから少なくともピアノ演奏の素養があるんじゃないだろうか?って思えるんで、良かったらそこご覧ください。

🧥サングラスに映るカーネーション

指輪の爪あと”Death Lends a Hand”と比べても表現手法としては全く別物ですがベネディクト先生のサングラスに事件に関連する重要なアイテムが映る事で、犯人がそこに注目した!という演出をしています。

ベネディクト先生が現場に戻ってきたそのシーンを是非お楽しみに。

 

小ネタ・・・知ってると自慢できそうな余談

トリビアっていうと大袈裟ですが・・・

🧥ベネディクト夫人役の俳優ブライス・ダナーさんはこのドラマ撮影中すでに妊娠中!生まれてきたお子さんはなんと!?!?

このドラマ撮影中には妊娠中で、ドラマがアメリカで初放送された10日後にご出産。

生まれたのは娘さん。

その方、のちにゴールデングローブ賞にアカデミー賞を受賞する俳優さんに成長。

お名前をグウィネス・パルトローさんとおっしゃいます。

(ラストあたり少しお腹が大きいような?)

 

🧥Hollywood Bowlについてもう少し

この野外コンサートホールはベネディクト先生が事件を起こす8年前の1964年にビートルズがコンサートを行っており、その模様は1977年ライブアルバムとしてヴァイナルレコードになっています。

映像も残されていて動画見る限り同じ場所と見て良さそうです。

・ビートルズのコンサート映像

 

・2012年時点のハリウッドボウル 客席から見たところ

https://maps.app.goo.gl/8zdZA1fvkpztvHtr7

 

ステージ背後にある半円の壁と天井すなわちバンドシェルは現在も同じような形をしています、が残念ながらビートルズが演奏し、ピーターフォークがチョップスティックでピアノを演奏しベネディクト先生から拍手喝采をさらった当時のものではなく2004年に音響効果などを改善した新型に建て替えられてしまってるそうです。

ちょっと残念。

Please!!

(Please・・・ビートルズの記念すべき最初のナンバーワンヒット曲であるジョンレノン作 プリーズプリーズミーと、劇中ベネディクト先生の代わりに指揮者の位置に立つウィリアムがベネディクト先生にさんざ放送予定内容にケチ付けられた腹いせに言ったセリフです、これすら小ネタ!!)

 

 

🧥楽屋のドアが分厚い

ベネディクト先生が撮影スタッフに嫌がらせし終わって楽屋に入りますが、この時最初に開けるドアの分厚いことにご注目。

まあこれはこの部屋を静かに保つんじゃなくて演奏中のステージに音漏れしないようにしてるんじゃないかなと思います。

ソースはこれです。

「QUIET PLEASE!

PERFORMANCE IN PROGRESS

Thank you」

の看板がある

https://maps.app.goo.gl/WTsgpS6HxcvxGjnh8

「どうか静かにお願いします!

公演が行われています

ありがとうございます」

そしてこれに対してベネディクト先生が楽屋に入られるんですが、そこのドアはそんなに厚みがないのです。

 

🧥サブタイトルが原題そのまんまは珍しい?

ちゃんとした統計でなくただの印象ですがサブタイトルが原題をそのまんま日本語に訳されたようになってるのは珍しいんじゃないですかね

大抵日本語に訳される時点で内容を日本語版スタッフが考える物語の主題や印象的なシーンなんかに絡めて書き換えてるんですけど

 

🧥CIAOとジョンとグローク

ベネディクト先生が最後に「CIAO」って言って去っていくシーンはとても犯人の「カッコだけ」人生を締めくくる姿として「みっともなく」表現できていて素晴らしいセリフだと思います。

 

アレックス・ベネディクトという名前に関するぐろーくさんのお話し

実はこの件でグローク(AI)と会話した内容が興味深いので下記に転記します。

もし刑事コロンボにちょっとでも興味があったら読んでみてください。

グロークさんの回答

『「Alex Benedict」という名前が1972年のアメリカドラマ『刑事コロンボ』のエピソード「黒のエチュード」(原題: Étude in Black)に出てくるキャラクターについてですね。(一部略)

「Alex」は「Alexander」の短縮形で、英語圏で非常に一般的かつ国際的な名前です。一方、「Benedict」は前述の通りラテン語由来(Benedictus)で、イタリア語では「Benedetto」として確かに使われますが、英語圏でも普通に見られる姓や名です。

(以下略)』

以上、グロークさんからのお話でした。

 

ちなみにアレックス・ベネディクト先生はニューヨークご出身。

演じた俳優さんはギリシャ系アメリカ人の女優キャサリン・カサヴェテスさんを母にもち、ギリシャ移民のニコラス・ジョン・カサヴェテスさんがお父さんでコテコテのギリシャ系です。

🧥専用便箋

ジェニファー・ウェルズさんの便箋が彼女専用なのが興味深いですね

どこにもサインはなくタイプされた本文中にも名前はありませんが、便箋のヘッダ部分にお名前がプリント済みで彼女専用の便箋を持っていたって事らしいです

当時こういったものを持っている著名人とかいたらしいのですが定かではありません

でもドラマでこうして使ってるくらいだから一般家庭にはなくても一部の利用している人はいたんでしょうね

主に法人とか?

 

🧥タイプライターってなんなもん?

ジェニファーウェルズの遺書を捏造するわけですがタイプライーターで売った文章が波打ってて全然文字が直線に並んでなーい。

こんなもんだったんですかねえ?タイプって。

 

ドラマ本編について

🧥警備員さんにすら気さくに話しかけるベネディクト先生

警備員さんにはただ「電話を取り次ぐな、部屋に誰も入れるな」と言えばいいだけなのにベネディクト先生は「カルロス!」って名前もちゃんと知ってる上に「娘さんの風邪はどう?」って聞いてくれたり気さくで気の利く人なんですよね。

まあ総譜ちゃんと頭に入れててオーケストラメンバーもよく特徴とか捉えてたりするでしょうから指揮者って仕事柄、記憶力はいいんでしょうけどね。

この後、愛人のジェニファー・ウェルズさんを殺害する人物がこんな一面もあるなんてね。

って思わせるシーンですね。

 

🧥荒れ狂うベネディクトさん

夜コンサートが行われる会場の控え室で眠ると奥さん含めた周囲の人を騙してベネディクトさんは裏からこっそり抜け出します。

コンサートホールの外にはエスカレーターではなく動く鋪道みたいなものがあってこれに乗ってると階段を上がらなくても上にある野外コンサートホールのある場所まで行けるようになっていて、注意書きには「hold hand rail(手すりにつかまってください)」、「watch step(足元に注意してください)」と書かれていますが、慌て荒ぶるベネディクトさんお構いなしで手すり掴まないしせっかく動いてる鋪道なのに自分の足で小走りに駆け下っていきます、しかもこの歩道は登りですからベネディクトさんわざわざ動く鋪道を逆方向に走って降りてるんです(何してんだろ?→小ネタに推測を書きます)ここより隣の緩やかな坂道を走った方が早いんですけどね。まあわざとですよね。

ちなみに2012年時点でこの撮影地になったのってこの辺りじゃないかなと想像しています。

https://maps.app.goo.gl/xuTFyKg7wjXgN95m8

エスカレーターに変わっちゃってたり、色々1972年当時とは違ってますけど。

 

🧥アドリブかな?2つ

その1

ベネディクト先生の義母さんが「役者にに音楽なんてわかるのかしら?」って話題になった時に娘さんが「役者だって人間ですから」と言い返すと「どうだかねえ?」と返事するんですよ。

でもこの役者に音楽なんてわかるのか?人間ですから、どうだかねえ?と話し合ってる二人って自分達が役を離れれば役者なわけですよ。

そこがこの会話の落とし所でありパンチラインなわけですが、お母さんがそれいった瞬間の奥さんの笑い方が心の底から可笑しそうに笑ってるんですよね。

その後楽屋から出てきたベネディクト先生も一瞬笑ちゃってから自分のセリフ言ってる感じなんで、このお母さん役のマーナ・ロイさんがやったアドリブなんじゃないかなって思いました。

ベネディクト先生本人の笑い方も吹き替えだとわかんないんですけど、ドア開けた瞬間犬が咳するみたいに笑ってから自分のセリフ言い出すんであれえ?って思いました。

その2

ラストの「チャオ」っていうシーンですがこれベネディクト先生のアドリブじゃないかなあって思ったんですよ

あのシーンわざとベネディクト先生みっともなくなってたほうがいいでしょう?

俳優さんも監督経験ある人で1970年(写真のクレジットは1971年だけどなんでだ?)に映画撮っててそこに共演してたのがピーター・フォークつまりコロンボ警部なわけです。

ベネディクト先生ここはこのセリフがいいだろうって自分で考える人であるって考える方が自然だしなあ。

でもまあ、脚本に思いっきり書いてあるのかもしれませんね「チャオ!」って。

 

 

細かく書きすぎて放送に間に合わなかった・・・

ここまで書いてきましたけどまだドラマの半分も書いてないんですよ。

間に合わなかったわあ。

 

刑事コロンボリンク

BS NHK 刑事コロンボ